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汎用砂糖結晶缶制御

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汎用砂糖結晶缶制御


 PLC計装とSCADA組み合わせ例をご紹介します



製糖工場の最も重要な設備である真空結晶缶制御をPLC計装とSCADAを組み合わせたデモ版ですが、まだまだ工事中です。



過去の仕事例」サイトの「製糖工場の結晶缶自動制御」は既設のリプレースでしたが、これを汎用化した「汎用砂糖結晶缶制御」の基本的な部分を最新のPLC計装とSCADAの組み合わせで作りました。

色々な要求にお答えできる面白いものが出来たと思います。
基本システムですので後は色々なオプションを付け加えて行くことになります。 



汎用砂糖結晶缶制御

構成

計装PLCとSCADAの組み合わせで制御します。実際の役目は制御は全てPLCで行い、管理設定をSCADAが行います。
結晶缶制御には多くの設定要素が必要です。ここではこれらレシピはSCADAで設定し、保存はPLCになっています。レシピ保存もSCADA用PCにすることも可能です。。

最新のPLC計装を元に作ってありますので、真空制御や蒸気流量制御もシーケンサで行います。今回は三菱電機のMELSEC計装を使用しましたが、オムロンのPLC計装への移植も可能です。
また、調節計機能が2台と少ないのでPLC計装でなく外部デジタル調節計などと通信しながら制御することも、一般PLCのPID機能を使用することも可能です。

基本として4煎糖糖種、3糖液種で作成してみましたが、PLCのメモリーエリアとしては十分余裕があります。


グラフィック画面

グラフィック画面の概略説明です。今回SCADAの解像度はHiビジョンTVと同じ1920×1080ドットを使用していますので、今までのタッチパネル(最大でも1024×768ドット)より情報量が約2.64倍と格段に多くなっています。
また市販のHiビジョンTVやモニター画面にフル画面で映し出すことも可能です。

ここに表示されている数値などは全て架空のものです。また36%まで縮小していますので、少し見にくいかもしれません。

計器などポップアップしていないグラフィック表示画面です。
左上が煎糖糖種表示、工程表示です。左中段が手動介在可能な工程の操作部分です。下段が吸込糖液種と量の設定値、現在値表示です。
右下は育晶小工程や仕上げ工程の「糖煎」「水煎」「糖水煎」等の細かい設定値と現在値を表示しています。





計器をポップアップした例です。ここでは調節計2台、指示計1台をポップアップしています。これらの計器はグラフィック確認に邪魔にならないところに移動可能です。
実際に手動操作などをするので無ければ、グラフィック内にPV値、SV値、MV値など必要な情報は表示されていますので、情報としては計器をポップアップしなくても十分です。






ON-OFF自動弁をポップアップで手動操作している状態です。自動−手動の切替や手動開−閉の操作には必ず確認画面が再度ポップアップされます。
手動操作中の自動弁はグラフィックの弁側に
表示されます。自動の場合は何も表示されません。
排出弁は半開状態保持がありますので、手動操作は開−停止−閉となります。

調節弁の内、調節計により操作されるものは当然ながら調節計をMANUALにしてMV値を変更すれば開度を自由に設定できます。
調節動作を持たずにシーケンスに従って開度の変わる糖液調節弁、差水調節弁も同様にMANUALにしてMV値を変更すれば開度を自由に設定できる様になっています。計器一覧画面の右から1番目、3番目のフェースプレートがそれに該当します。






設定画面

煎糖のためには多くの設定が必要です。その設定値には煎糖糖種毎に違うものと糖種にかかわらず共通のものがあります。全て糖種毎に設定出来る様にしても良いのですが、あまり設定箇所が多いのも設定ミスの元ですし・・少ないのに超したことは無いでしょう。

糖種ごと設定画面です。
左枠は今回煎糖糖種と次回煎糖種の設定です。勿論、次回煎糖糖種を設定しなくても良い訳で、その場合は「煎糖無」を選択します。

中央枠は糖液弁の種類、吸込順序、吸込量を設定出来ます。糖液種のところにタッチすると「糖液A」「糖液B」「糖液C」の選択画面がポップアップします。吸込量は10KEYで適当な値を設定します。
糖液種が1種類の時は全て同じ糖液種を設定するか、結晶缶の容量を超える値を最初(左端)の液種に設定します。
どの様な設定をしても最終的には液面設定値で終了します。また、各糖液種の供給タンクの液面を取り込んで、空になるまで吸い込むことも可能です。

右枠は煎糖糖種毎の各種設定欄です。






育晶工程は糖種によって細かく育晶方法が変わります。これを自由に設定出来るようにしました。具体的には「育晶1」から「育晶12」までは自由に「糖煎」[水煎」「糖水煎」「無」を選択できます。選択された育晶方法に従って回数などの細かい設定項目が表示されます。不要な項目は薄くマスクされます。
勿論、わざわざ途中に「無」を入れる必要は無く工程を詰めることは可能です。例えば育晶5で設定終了なら、育晶6〜12は「無」設定となります。
右側下段枠は現在の小工程の「糖煎」[水煎」「糖水煎」の設定内容に従って計算された「固さ」「液面」の設定値と測定値を表示しています。






計器一覧画面

結晶缶1缶で使用する標準の計器一覧画面です。
蒸気流量と真空度は調節計ですが、他は指示計のみになります。糖液弁と差水弁は開度設定となります。
蒸気流量と真空度のタイトルにタッチすると次のチューニング画面に移行します。
同様に指示計もタイトルにタッチするとEV等の細かい設定画面に移行します。
調節計も指示計もPV警報は4点、イベントは6点を標準として準備してあります。






蒸気流量のチューニング画面です。REMOTELOCALAUTOMANUALの切替が出来ます。
REMOTE選択時は設定画面で設定された値が目標値になり、LOCAL選択時は設定値を10KEYで設定することが出来ます。MANUAL選択時の操作量も同様です。これらは切換時のトラッキング処理をしてありますので、バンプレスに切り替えることが可能です。

PID設定もここで設定します。その動作結果はリアルタイムトレンドで表示されます。
偏差警報や絶対値警報も糖種毎の設定画面や共通設定画面などで使用するものは別画面で設定しますが、計器単独使用のものはここで設定します。






トレンドグラフ画面

ヒストリカルトレンドグラフです。表示されているデータは仮に入力した値で変化していません。
勿論、時間スパンの変更や過去データ表示、必要データのみの選択表示、カーソル間の最大値・最小値・平均値等の表示は標準で持っています。

これら画面の他に警報画面、操作履歴画面、オペガイド画面などがあります。
HMI/SCADA」に色々な画面例が載っていますので、そちらも見て下さい。






目的は

暇な時間をみつけて、こつこつと作ってきて、一応ここに発表出来る程になりました。
実際には日本国内では結晶缶制御は大半がDCS制御されていて、この汎用結晶缶制御システムが実際に使用される機会は少ないと思いますが、逆にPLC計装とSCADAでこれだけのものが作れるという例にはなるかと思った次第です。

まだまだ基本的な部分を作っただけですので、色々改良するところはあると思います。色々なご意見をお聞かせ下さい。







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